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『軍馬ジョーイ』 War Horse [演劇]

『軍馬ジョーイ』War Horse
New London Theatre

演出:マリアンヌ・エリオット/トム・モリ
原作:マイケル・モーパーゴ
音楽:エイドリアン・サットン
脚色:ニック・スタフォード
装置:レイ・スミス
照明:ポーレ・コンスタブル
音響:クリストファー・シュット
パペット:ハンドスプリング・パペット・カンパニー
制作:ナショナルシアター

マイケル・モーパーゴの原作をニック・スタフォードの脚色で舞台化。ナショナルシアター・オリビエ劇場で上演後、現在の劇場で行っています。
初演は、2007年10月National Theatre(Olivier)

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          ニューロンドン・シアター外観

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          パンフレットより

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       チラシより

舞台は、英国南西部の農村地帯で馬のせりの場面から始まります。馬市で買われた馬ジョーイとそれを育てた少年アルバートの物語です。
少年は、ジョーイを農耕馬として愛情を込めて育てます。第一次世界大戦の勃発で、少年と馬の運命が大きく変化します。大きくなった最愛の馬を父親が黙って軍用馬として売ってしまいます。アルバートにとっては大きなショックでした。そんな姿の気持ちを察した父親は、アルバートに自転車を買い与えるのですが彼の気持ちは収まりません。そんなある日、アルバートは家族に黙ってジョーイを探すために軍の志願兵として戦場に出ていき、敵の砲火に巻き込まれ波瀾万丈の時を過ごします。しかし、彼はそんな時でもジョーイの事を忘れることはできませんでした。終戦を迎えたある日、眼を痛めたアルバートとジョーイが奇しくも再開します。顔を包帯で覆われている彼は、近くに馬の気配を感じます。とっさに、指笛を吹くと気が付いたジョーイが彼のもとへとやってきます。ドラマはこれで終局になりますが、この作品では人間と馬との感情が描かれていて、涙が出るほど感激する作品です。戦地での場面も含め馬が多く出てきますが、その馬がとても良く仕上がっています。歌舞伎などでも馬が出る場面がありますが、単なる被り物ではありません。この馬は、パペット(等身大の馬の人形)で細かい動作ができ、実に本物そっくりに表現され迫力を感じます(ハンドスプリング・パッペト・カンパニー制作)。
ミュージカル『ライオン・キング』でもパッペトやマスクを使用していますが、『軍馬ジョーイ』では、3人の俳優によ
って馬を操って表現しています(馬の頭に1人、足に2人で操作)。また、鳴き声などは音響効果で出すのではなく、馬を操作している俳優が声を出しています。馬全体の形状は革で出来ていて、それを覆うように籐細工のような物で作られています。頭や脚は、パンフレットで確認する限りワイヤーによって細かい動きができるようになっています。耳や首、尻尾の動作などがとてもリアルです。仔馬の時のパペットは、なんと簡単な作りでと感じましたが、成長と同時に瞬間に大きくなった馬へと変化します。ドラマが進行するに従って、馬が本物に見えるのが不思議です。
舞台装置は、いたってシンプルで下手にドアー枠が出る程度で、あとは大黒幕と回り舞台が基本になっていま
す。場面転換では、必要により俳優たちそれぞれが持ち道具によって場面を作ります。また、舞台後方上部には、雲の様な形をしたパネルが吊られています。これは情景よってホリゾント幕とスクリーンの役割になります。
照明デザインは、全体を通して基本的にはモトノーンで描かれています。また、映像が効果的に使用されてい
ます。音楽と挿入歌も良く、ドラマを融合し盛り上げていました。

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          ポストカードより

http://www.nationaltheatre.org.uk/warhorse

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