SSブログ

 照明に携わる人々の教則本 [舞台照明]

   照明に携わる人々の教則本 
                                                                     千 早 正 美

   日本照明家協会編纂『舞台・テレビジョン照明「基礎編」』(2003年4月1日第1刷 )副本CD-ROM 付が刊行されました。
   この「基礎編」は、1977年・照明技術者の技能水準を 高める目的として出版され、これまでに数回の部分改訂 を重ね、協会員のみならず芸術系大学・舞台技術系専修専門学校などの教材テキストとして幅広く受け入れられてきました。この間の舞台・テレビジョン照明を取り囲む環境の変化や驚異的な技術進歩に伴い、この度、今日のニーズにあった内容に大幅改訂されました。
  『舞台・テレビジョン照明「基礎編」』は、現場に精通 している照明家による執筆・編集で、説得力のある質の高い統一された文章で、分かりやすく書かれています。直ぐに役立つ実践に即した書といえます。照明に対する考え方や舞台・テレビジョン照明における仕事内容(概論)や照明設備・舞台機構、スタッフの役割などが詳細に述べられています。また、専門用語の解説・器具の使用方法、作業の手順など概要も親切丁寧に説明されています。内容も一新されて、頁数も50頁程増大し写真・図版・資料なども豊富に取り入れられ、充実した構成となっています。本文は、ⅰ章からⅹⅰ章で212頁余りからなっています。
  目次構成は
ⅰ  舞台・テレビジョン照明とは
ⅱ  照明家をとりまく上演芸術
ⅲ  公演が行なわれる場の人たち
ⅳ  舞台機構と舞台照明設備
ⅴ  舞台における照明の仕事
ⅵ  仮設システムを使った照明の仕事
ⅶ  テレビの歴史と原理
ⅷ  テレビスタジオの機構とスタジオ照明設備
ⅸ  テレビ照明の特徴と技法
ⅹ  テレビにおける照明の仕事
ⅹⅰ 照明機器
ⅹⅱ 照明操作のシステム
ⅹⅲ 照明家に必要な基礎知識
ⅹⅳ 舞台用語
ⅹⅴ 安全に作業をするために
です。

  舞台照明は一世紀もの間に技術の革命に応じて飛躍的に向上し、現代の舞台芸術に欠かす事のできないものになっています。
  当協会から刊行された『舞台・テレビジョン照明「基礎編」』は、基礎知識として、知っておかなければならない事柄が多く掲載されています。いわば特に照明家を志す若い人たちや照明に携わる人々の教則本になるのではないかと思います。
  今後、劇場技術や照明技術は益々複雑化し、深い専門知識がいっそう要求されることでしょう。初心者の方々も経験者の方々も、是非ご一読をお勧めしたい。
また、芸術系大学・舞台技術系専修専門学校などの教材テキストとして価値ある入門書として、多くの読者の目に触れることを望みます。

  副本CD-ROMには、本編の全てが記録されていて、キーワードで各項目を索引する事が出来ます。

  本文中、見出しの他、重要であると思われる用語や説明文にゴシック文字が使用されて分かりやすくなっています。また、不要な部分が割愛され、さらに今までに無かった項目も新たに追加されるなど内容の充実化が見られます。
 例えば、舞台における照明の仕事では、準備から仕込み・本番・撤去までの手順を詳細に説明しています。①仕込みの前に ②舞台の仕込み ③調光室での仕事 ④フォーカシング ⑤道具調べ ⑥明かり合わせ ⑦舞台稽古 ⑧本番 ⑨バラシ(撤収)などノウハウがぎっしり詰まっています。

 本文は、日本照明家協会雑誌2003年 11月号 No.401 に掲載されたものです。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。